外国人材を雇用する企業にとって、採用した人材が職場に定着し、安心して働き続けてくれることは大切な課題です。

しかし、実際の現場では、仕事上のルールを守れない、指導を素直に受け入れられない、感情的になって同僚と衝突してしまうなど、さまざまな問題が起こることがあります。

こうした話を聞くと、「外国人だから難しい」「外国人はルールを守らない」と考えてしまう方もいるかもしれません。

けれども、本当にそうでしょうか。

私はこれまで、外国人材の生活支援や人材紹介に携わる一方、日本人の派遣スタッフに関するトラブルも数多く見てきました。

仕事上のルールを守れない人、注意されると反発する人、感情的になって周囲と衝突してしまう人。

それは、外国人に限った話ではありません。

国籍の問題として片づけるのではなく、人間同士の問題として向き合う必要がある。

私たちジョブハートは、そう考えています。

安全ルールを守ることと、相手の事情を理解すること

先日、特定技能外国人が働く現場で、安全ルールをめぐるトラブルが発生しました。

足場の仕事では、墜落制止用器具(いわゆる安全帯・ハーネス)の適切な使用が、命を守るうえで重要です。ルールが守られなければ、本人が重大な事故に遭うだけでなく、会社の信用や元請けとの取引にも影響しかねません。

ところが、以前から着用をめぐる問題があった外国人スタッフに対し、職長が注意した際、双方が感情的になり、身体をつかみ合う事態に発展しました。外国人スタッフが鉄製の物を手に取る行動もあり、重大な問題となりました。

もちろん、安全ルールを守らなかったことは問題です。相手につかまれたからといって、危険な物を手に取る行為が正当化されるわけでもありません。

一方で、指導する側が相手の襟をつかむことも、適切な指導方法とはいえません。

どちらか一方の言い分だけを聞いて結論を出せば、もう一方の事情や問題点が見えなくなってしまいます。

そこで私たちは、本人の話を聞き、何が起きたのかを整理し、本人に何が問題だったのかを伝えました。同時に、職長側の行為についても考え、会社とも話し合いました。

本人には、安全ルールを守らなければならない理由、感情的な行動がどのような結果を招くのか、そして会社や仲間からの信頼を失うことの重大さを理解してもらう必要がありました。

単に「あなたが悪いから辞めなさい」と伝えるだけでは、本人が問題の本質を理解し、行動を改める機会を失ってしまうかもしれません。

だからといって、本人の事情を聞くことは、間違いを許したり、責任を免除したりすることではありません。

理由を聞くことと、責任を明確にすること。その両方が必要なのです。

ただ外国人を守るだけでは、本当の支援にはならない

登録支援機関の役割は、外国人材の相談に乗り、生活上の問題を解決することだけではありません。

外国人材が日本で働き、生活していくためには、日本の法律や職場のルールを理解し、周囲と協力しながら、自分の行動に責任を持つことも必要です。

困ったときに助けることは大切です。

しかし、本人の言い分を聞くだけで、問題行動を指摘しなかったらどうなるでしょうか。

会社側の対応に問題があるときに、それを指摘せず、企業の都合に合わせるだけだったらどうなるでしょうか。

その場は収まったとしても、同じ問題が繰り返されるかもしれません。

私たちが目指しているのは、外国人材を何でもかばう支援でも、企業の指示に何でも従う支援でもありません。

本人に間違いがあれば、理由を聞いたうえで、何がいけなかったのかを伝える。企業側に改善すべき点があれば、それについても考える。そして、双方が事実と向き合い、再発防止につながる方法を一緒に考える。

人を育てるためには、ときには耳の痛いことも伝えなければなりません。

支援とは、本人の代わりに問題を解決し続けることではなく、本人が自分で考え、行動を改め、成長できるようにすることだと考えています。

企業が選ぶべきなのは、単に手続きをこなす登録支援機関ではない

特定技能外国人を受け入れる企業にとって、登録支援機関選びは重要です。

登録支援機関によって、相談への対応、生活支援の考え方、トラブルが起きた際の向き合い方には違いがあります。

もちろん、必要な手続きを正確に行い、法令を守ることは大前提です。

そのうえで、企業が確認してほしいのは、問題が起きたときに、どのような姿勢で対応してくれるのかという点です。

* 外国人材の言い分だけで判断せず、事実関係を確認してくれるか。
* 企業側の事情を理解しながらも、必要なことは率直に伝えてくれるか。
* 問題が起きたとき、その場を収めるだけでなく、再発防止まで考えてくれるか。
* 外国人材を過度に手助けするだけでなく、自立して働けるように支援してくれるか。
* 法律やルールを尊重しながら、当事者が改善できる道を探してくれるか。

こうした視点も、登録支援機関を選ぶ際に大切にしていただきたいと考えています。

企業にとって都合のよいことだけを伝える支援機関や、外国人材に都合のよいことだけを伝える支援機関では、問題の根本的な解決が難しい場合があります。

双方に必要なことを伝え、必要な場面では間に入り、企業と外国人材が共に働き続けられる環境を目指す。

それが、私たちジョブハートが大切にしている姿勢です。

人を育てることは、企業を守り、社会を守ること

人間である以上、間違いを犯すこともあります。感情的になってしまうこともあります。

だからといって、すべてを許せばよいわけではありません。重大な違反や危険な行為については、必要な責任を問わなければならない場合もあります。

大切なのは、事実を確認し、責任を明確にし、改善できる可能性があるなら、その機会をつくることです。

今回のケースでは、会社と職長が話し合いの結果、本人にもう一度働く機会を与えることになりました。ただし、これは問題がなかったことになったという意味ではありません。本人には安全ルールを守り、日本語の学習にも取り組み、行動で信頼を取り戻す責任があります。

このような話し合いがいつも成立するとは限りません。状況によっては、法的な対応や雇用の終了が必要になることもあります。

それでも、最初から相手を一方的に決めつけるのではなく、何が起きたのか、なぜ起きたのか、どうすれば防げるのかを考えることには意味があります。

企業と外国人材の間に立つ人間が、ただ自分の都合だけで動いていたら、人は育ちません。

日本人か外国人かに関係なく、一人ひとりが責任を持ち、互いの立場を理解し、問題を解決する力を身につける。その積み重ねが、職場の信頼関係をつくっていくのだと思います。

ジョブハートが目指す外国人材の生活支援

株式会社ジョブハートは、外国人材の受入れに関する手続きだけでなく、日本で安心して働き、生活し、企業の戦力として成長していくための支援を大切にしています。

私たちが目指すのは、企業の都合だけでも、外国人材の都合だけでもなく、双方が責任を果たしながら、長く働き続けられる関係づくりです。

トラブルが起きたときこそ、支援のあり方が問われます。

ただ助けるだけではなく、必要なことを伝える。間違いを見逃すのではなく、改善につなげる。企業の声にも外国人材の声にも耳を傾け、問題の本質を見極める。

それが、人を育てる登録支援機関の役割だと考えています。

特定技能外国人の受入れや生活支援、外国人材の定着にお悩みの企業様は、ぜひ一度、株式会社ジョブハートにご相談ください。

人を採用するだけでなく、人が育ち、企業と共に成長していく。そのための支援を、私たちは大切にしています。