外国人材の受入れが広がる日本。しかし、私が現場で感じているのは、外国人材を受け入れる仕組みが整っていく一方で、本人が自立し、成長するための支援が置き去りにされていないか、という問題です。
特定技能外国人の生活支援は、必要な手続きを代わりに済ませれば、それで十分なのでしょうか。
私は、そうは思いません。
株式会社ジョブハートが目指しているのは、外国人材の生活上の困りごとを解決するだけではなく、本人が考え、学び、自分で行動できるようになるための「教育型の生活支援」です。
今回は、実際に起きた出来事を通じて、外国人材の支援に携わる私が大切にしている考え方をお伝えします。
1.「他の会社はやってくれた」から始まった、今回の出来事
先日、在留資格の変更に関する申請の取次サポートをしていた際、出入国在留管理庁から追加書類の提出を求められました。
求められたのは、課税証明書、納税証明書、源泉徴収票です。
私は本人に必要書類について説明し、人材紹介に関わる送り出し機関にもその旨を伝えました。
すると、返ってきたのは、こんな言葉でした。
「渡邉さん、やっていただけませんか?」
「他の会社はやってくれましたよ?」
もちろん、日本の行政手続きに慣れていない外国人にとって、必要書類の確認や取得は簡単ではないかもしれません。日本語の問題もありますし、どこに問い合わせればよいのか分からないこともあるでしょう。
だからこそ、生活支援が必要なのです。
しかし、今回の問題は、書類を取得できるかどうかだけではありません。
以前提出した書類があるからといって、今回もそれでよいとは限りません。行政機関から追加提出を求められたのであれば、まずは何を求められているのかを確認し、必要な対応を考えることが大切です。
「前に提出したから大丈夫」
「分からないから、誰かにやってもらおう」
それで終わってしまえば、今回の手続きが終わったとしても、本人には次につながる知識や経験が残りません。
最終的には、今回、私が委託業務として書類申請を代わりに行っています。
私は、必要な支援を拒んでいるわけではありません。
私が問題にしているのは、代わりに手続きをすることではなく、代わりに手続きをしただけで、本人が何も学ばないまま終わってしまうことなのです。
2.外国人本人だけの問題ではない。支援する側にも問題がある
私は、外国人本人だけを責めたいわけではありません。
むしろ、支援する側にも考えてほしいことがあります。
これまで、技能実習生の監理団体や特定技能の登録支援機関などが、外国人本人に代わってさまざまな手続きを行ってきたケースがあります。
もちろん、制度上必要な支援や、本人だけでは難しい手続きを手伝うことには意味があります。適切な委託業務として代行すること自体が悪いわけでもありません。
しかし、何でも先回りしてやってあげることが当たり前になってしまったら、どうなるでしょうか。
本人が自分で調べる機会がなくなる。
誰に聞けばよいのかを学ぶ機会がなくなる。
自分で手続きを進める経験が積めなくなる。
そして、困ったことが起きるたびに、周囲が何とかしてくれることを期待するようになるかもしれません。
もちろん、こうした状況はすべての外国人材に当てはまるわけではありません。しかし、支援の仕方によっては、本人の自立を妨げてしまう可能性があるのです。
支援する側が目の前の問題を早く解決することばかり考えていないか。
本人に説明するより、自分でやった方が早いと考えていないか。
本人が成長するために必要な経験まで、取り上げてしまっていないか。
私たち支援者自身が、この点を振り返る必要があると思っています。
支援とは、何でも代わりにやってあげることではありません。本人ができるようになるために、必要な知識と経験を提供することでもあるのです。
3.本当に大切な「人を育てる支援」が、置き去りにされていないか
ここで、もう一つ大きな問題があります。
それは、外国人材の自立を促すための教育には、時間も労力もかかる一方、その価値に対して十分な対価が支払われにくいということです。
書類を取得する。申請を進める。問い合わせに対応する。
こうした業務は、何をしたのかが分かりやすく、業務としても切り分けやすいものです。
一方で、本人に何度も説明し、理解できているかを確認し、考え方を伝え、行動が変わるまで関わることには、時間がかかります。
しかも、その成果は、書類一枚のように目に見える形では表れません。
本人が自分で必要書類を確認できるようになる。
分からないことを適切に質問できるようになる。
トラブルが起きたとき、自分で解決方法を探せるようになる。
一度教わったことを、次の場面で生かせるようになる。
こうした変化こそ、本人が成長した証拠です。
しかし、短期間では成果が見えにくく、支援にどれだけ時間をかけても、その教育的な価値が十分に評価されないことがあります。
その結果、支援する側にとっては、本人に考えてもらうよりも、自分で処理してしまう方が効率的になってしまいます。
本人の自立を促すための教育より、目の前の手続きを終わらせることが優先される。
私は、ここに大きな課題があると考えています。
本来、もっと価値が認められ、対価が支払われるべきなのは、書類を代わりに集めることだけではなく、人が成長し、自立できるように育てることではないでしょうか。
もちろん、すべての支援機関が教育を軽視しているわけではありません。また、登録支援機関の法定支援には、それぞれ実施すべき内容があり、教育的な関わりをすべて無償で行うべきだという話でもありません。
私が伝えたいのは、制度上求められる支援を適切に実施したうえで、さらに本人の成長を促すための時間と労力にも、正当な価値が認められるべきだということです。
4.私は、本人に考えてほしいからこそ、説明する
私が外国人材に何かを伝えるとき、単に「こうしてください」と指示して終わりにはしたくありません。
なぜ、それをする必要があるのか。
何のために、そのルールがあるのか。
自分で対応するためには、何を知っておけばよいのか。
そこまで理解してほしいと思っています。
例えば、今回の追加書類の件であれば、課税証明書や納税証明書はどこで取得するのか。源泉徴収票は誰に依頼すればよいのか。行政機関から追加提出を求められたとき、どのように内容を確認すればよいのか。
こうしたことを、一つずつ理解していくことが大切です。
もちろん、本人の日本語能力や理解度に合わせて説明する必要があります。通訳が必要なら通訳を使う。本人だけでは難しいなら、一緒に確認する。必要な場合には、支援者が代行する。
そして、対応が終わったら、それで終わりにするのではなく、今回の経験から何を学べるのかを考えてもらう。
それが、私の考える支援です。
「分からない」と言われたら、すぐに代わりにやるのではなく、何が分からないのかを確認する。
本人が理解できる方法を探す。
そして、次は少しでも自分でできることを増やしていく。
私は、その積み重ねが人を育てると考えています。
5.「教えると偉そうだ」「儲けたいから言っている」と誤解されることもある
こうした考え方を伝えていると、時には、こちらの意図とは違う受け止め方をされることもあります。
「偉そうに言われた」
「自分を見下している」
「渡邉さんが儲けたいから言っている」
そう思われてしまうこともあります。
しかし、私が本人に考えてほしいと伝えるのは、相手を見下しているからではありません。
知らないことは、これから知ればよい。
できないことは、経験を積んでできるようになればよい。
最初から完璧である必要はありません。
ただ、誰かが代わりにやってくれることを当たり前にするのではなく、自分でできることを増やしてほしいのです。
正直に言えば、私が自分で書類を集めて申請すれば、早く終わることもあります。本人に考えてもらうために説明するより、代わりに対応した方が簡単な場面もあります。
それでも、私は、本人が将来困らないように、必要な知識を身につけてほしいと思っています。
目の前の手続きだけでなく、その人の将来まで考えているからです。
6.特定技能1号の期間を、ただ日本で働く時間にしない
特定技能1号で働く期間は、外国人材本人にとっても、受入れ企業にとっても、大切な時間です。
この期間を、単に日本で働き、生活上の困りごとを周囲に解決してもらうだけの時間にしてほしくありません。
日本の文化や生活習慣を知る。
社会のルールと、そのルールがある理由を理解する。
必要な情報を自分で確認する。
困ったときに、誰に相談すればよいかを考える。
経験したことを次に生かす。
こうした力は、生活のためだけではなく、職場での成長にもつながります。
もちろん、仕事の専門技術は受入れ企業が中心となって教育する必要があります。また、特定技能2号への移行には、分野ごとに定められた要件を満たす必要があり、生活支援だけで実現できるものではありません。
それでも、日常生活の中で自分で考え、行動する習慣を身につけることは、本人が将来の選択肢を広げていくうえで大切だと考えています。
私は、特定技能1号の期間を、単に5年間働いてもらう期間ではなく、本人と企業がともに成長する期間にしたいのです。
7.外国人材が成長すれば、企業の将来も変わる
企業が外国人材を採用するのは、人手不足を解消し、事業を成長させるためでもあるはずです。
人が増えることで、受注を増やせるかもしれません。
生産量を増やせるかもしれません。
今まで人手不足で対応できなかった仕事を受けられるようになるかもしれません。
しかし、人材を採用しただけで、こうした成果が自動的に生まれるわけではありません。
本人が仕事を覚え、生活を安定させ、周囲と協力し、自分で考えて行動できるようになること。そして、企業側も教育体制や業務の仕組みを整えていくことが重要です。
外国人材を単なる労働力として扱うのではなく、成長する人材として考える。
生活支援を、ただ困りごとを解決するためだけの業務ではなく、本人の自立を支える機会として捉える。
私は、こうした積み重ねが、長期的な人材の定着や企業の成長を支えると考えています。
8.ジョブハートが目指す「教育型の生活支援」
株式会社ジョブハートが大切にしているのは、外国人材の生活支援を通じて、本人が自立できる力を育てることです。
私たちは、仕事の専門技術を直接教えたり、資格試験の勉強を全面的に指導したりすることを、生活支援の中心にしているわけではありません。
私たちが重視するのは、考え方や行動の仕方です。
* 日本の文化や生活習慣を理解する。
* ルールがある理由を考える。
* 分からないことをそのままにせず、調べたり質問したりする。
* 困ったときに、解決方法を考える。
* 一度経験したことを、次の行動に生かす。
* 自分でできることを、一つずつ増やす。
こうした習慣を、日々の生活支援の中で伝えていきます。
私は、これまで外国人材の支援に携わる中で、関わり方が変わることで、短期間に対応力が大きく向上した人たちを見てきました。
能力がないのではなく、知らなかっただけ。やり方を教わっていなかっただけ。考えるきっかけがなかっただけ。
だからこそ、私は、本人の可能性を最初から決めつけず、成長するための機会をつくりたいと思っています。
そして、必要な支援はきちんと提供する。代行が必要な場面では、適切な業務として対応する。そのうえで、本人が学び、自立できるように関わる。
これが、ジョブハートの教育型生活支援です。
9.日本経済、中小企業、働く人、そして外国人材の未来のために
私が目指しているのは、ジョブハートだけが利益を得ることではありません。
日本経済が良くなってほしい。
中小企業の売上が伸びてほしい。
日本で働く人たちが豊かになってほしい。
日本で働く外国人材も、能力を高め、将来に希望を持てるようになってほしい。
そのうえで、ジョブハートも成長し、適切な利益を得て、支援を継続できる会社でありたいと考えています。
特定技能2号への移行など、本人が次の段階へ進むことも大切にしています。特定技能2号では、特定技能1号と同じ登録支援機関による支援の枠組みは適用されません。
それでも、本人が成長し、自立していくことには大きな価値があります。
支援を続けることそのものを目的にするのではなく、支援を通じて本人が成長し、企業の戦力となり、将来の選択肢を広げられるようにする。
それが、私の考える長期的な支援です。
そして、このような人材育成には、時間も労力も必要です。
だからこそ、教育的な支援の価値が適切に評価され、必要な対価が支払われる仕組みも大切だと考えています。
目の前の手続きを代行することだけが支援の価値ではありません。
本人が自分で考え、行動し、成長できるようになることにも、価値があるはずです。
外国人材を採用して終わりにしない。成長する人材を、ともに育てませんか?
外国人材の受入れを検討している企業様。
特定技能1号の生活支援を委託したい企業様。
外国人材の定着や育成に課題を感じている企業様。
採用した人材を、単なる人手不足の補充で終わらせず、将来の戦力として育てていきたいとお考えでしたら、ぜひ一度、ジョブハートにご相談ください。
私たちは、必要な手続きを支援するだけではなく、生活の中で考え方や行動の仕方を伝え、自立できる人材を育てることを目指しています。
外国人材の生活支援を、単なる代行で終わらせない。人を育てる支援に、正当な価値を。
本人の成長が、企業の成長につながる。
ジョブハートは、その実現を目指して、これからも教育型の生活支援に取り組んでいきます。
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株式会社ジョブハート
特定技能外国人材の生活支援・自立支援を通じて、企業の人手不足解消と持続的な成長をサポートします。
電話:054-374-3442
メール:info@jobheart.jp
公式サイト:https://jobheart.jp/







