現場で感じた違和感から、これからの日本について考える

今日、特定技能外国人の健康診断に同行し、送迎と通訳のサポートを行いました。

その際、医療機関から「外国人の健康診断には、必ず通訳を連れてきてください」という趣旨の話がありました。

もちろん、医療の現場では、病状や検査結果、治療方針などを正確に伝えることが重要です。誤解が重大な結果につながる場面では、専門の通訳が必要になることもあります。

しかし、私が支援している特定技能外国人の中には、タブレットの翻訳機やGoogle翻訳を活用すれば、十分に意思疎通ができる人もいます。

実際に、藤枝市役所で医師の説明を受けた際には、翻訳タブレットを活用して対応していただきました。

大切なのは、外国人だから一律に通訳が必要だと考えることではなく、本人の日本語能力や理解度、説明する内容に応じて、適切な方法を選ぶことではないでしょうか。

特定技能と技能実習は、制度上の目的や仕組みも異なります。もちろん、在留資格だけで日本語能力を判断することはできません。それでも、目の前にいる一人ひとりの能力や状況を見ず、同じ対応を求めることには疑問を感じます。

そして、私は病院への同行と送迎をしながら、もっと大きな問題について考えていました。

外国人を受け入れるなら、受け入れる社会も変わらなければならない

日本では、人手不足を背景に、外国人材の受け入れが進んでいます。

企業には、外国人を雇用するだけでなく、生活面での支援や地域社会との共生に向けた対応も求められます。登録支援機関も、行政手続きの案内、生活相談、病院への同行など、さまざまな場面で支援を行っています。

しかし、外国人が日本で働き、生活するために必要なことを、企業や登録支援機関だけが担えばよいのでしょうか。

地域の医療機関、行政、教育機関、そして地域社会全体にも、それぞれできることがあるはずです。

例えば、翻訳端末を活用する、多言語で情報を提供する、外国人にも分かりやすい案内を工夫する。

こうした対応ができれば、外国人本人の負担を減らすだけでなく、企業や支援機関の負担も軽減できる可能性があります。

もちろん、すべてを翻訳アプリで解決できるわけではありません。必要な場面では専門的な通訳を活用することも大切です。

私が伝えたいのは、医療機関にすべての責任を求めることでも、企業に求められる支援を否定することでもありません。

外国人を受け入れる制度をつくるのであれば、受け入れる社会全体も、その現実に合わせて変わっていく必要がある。

そう考えています。

協力確認書を交わすことと、地域が変わることは別の話

特定技能外国人の受け入れに関しては、自治体と企業の間で「協力確認書」を提出する仕組みも設けられています。

この制度は、自治体が行う外国人との共生施策に対して、企業が必要な協力を行うことを確認するものです。

しかし、書類を提出することと、外国人が暮らしやすい地域を実際につくることは同じではありません。

制度が整備されたとしても、現場で困っている人がいて、企業や支援機関だけが対応に追われているのであれば、まだ改善できる余地があるのではないでしょうか。

制度をつくること自体が目的になってはいけません。

大切なのは、その制度によって何が変わり、誰の負担が減り、外国人も日本人も暮らしやすくなったのかということです。

私たちも、日々の支援を通じて、現場で何が起きているのかを伝え続ける必要があると感じています。

人口が減れば、地域の産業も維持できなくなる

私は、こうした現場の問題を考えるとき、いつも日本の将来に思いが向かいます。

日本では少子高齢化と人口減少が進んでいます。

人口が減れば、働き手が減るだけではありません。地域で商品を買う人も、サービスを利用する人も減っていきます。

その結果、商店や事業所が撤退し、公共交通や医療、介護などのサービスを維持することも難しくなります。

地域の産業が衰退すれば、若い世代が地元で働く選択肢も少なくなります。働く場所がなければ、若者が地域を離れ、さらに人口が減るという循環に陥る可能性があります。

もちろん、人口が減るからといって、すべての産業が衰退するわけではありません。技術革新や生産性の向上、新しい市場の開拓によって成長する企業もあるでしょう。

しかし、これまでと同じ仕組みを維持するだけで、これからの社会も成り立つとは限りません。

私は、人口減少への対応を考えるうえで、地域の産業が再び稼ぐ力を取り戻すことが重要だと考えています。

企業が利益を生み出せれば、賃金を上げることも、人材を育てることも、新しい事業に投資することもできます。

地域に仕事があり、将来を描ける環境があってこそ、人が暮らし続けられる地域につながるのではないでしょうか。

なぜ、分かっている問題を先送りしてしまうのか

私が特に危機感を持っているのは、人口減少そのものだけではありません。

人口が減っていくことは、以前から分かっていたことです。それでも、社会の仕組みを変えることが、十分な速度で進んでいるのかという疑問があります。

既存の制度を変えれば、これまでの仕事の進め方や組織の役割も変わります。改革には費用も時間もかかります。すぐに成果が出るとは限らず、関係者の利害が一致しないこともあるでしょう。

だからこそ、改革は簡単ではありません。

しかし、目の前の都合を優先して問題を先送りすれば、その負担はなくなるのではなく、未来へと移っていきます。

今の社会を支えている仕組みを、次の世代も維持できるとは限りません。

そして、私たちが今、十分に向き合わなかった問題の影響を受けるのは、これから社会を担う子どもたちです。

子どもたちに明るい未来を示したいのであれば、ただ「日本は大丈夫だ」と伝えるだけでは足りないと思います。

今の社会にどんな問題があるのかを認め、変えられることから変えていく。そうした姿勢を大人が示す必要があるのではないでしょうか。

社会を変えるのは、誰か偉い人だけではない

国が何とかしてくれるだろう。

行政が対応してくれるだろう。

誰かが問題を解決してくれるだろう。

そう考えたくなることもあります。

もちろん、国や自治体には、それぞれの立場で果たすべき役割があります。個人や一企業だけで解決できない問題も数多くあります。

それでも、社会をつくっているのは、国や行政だけではありません。

企業も、地域の人も、働く一人ひとりも、社会の一部です。

私自身、経営者になってから、社会の仕組みがどのように成り立ち、誰がそれを支えているのかを以前より強く考えるようになりました。

企業を経営するということは、売上や利益を追求するだけではありません。従業員の生活を守り、取引先と関係を築き、地域の中で事業を継続していく責任も伴います。

そして、事業を通じて、社会にどのような価値を生み出せるのかを考えることも、経営者の役割の一つだと思っています。

誰もが起業する必要はありません。誰もが社会活動に多くの時間を費やせるわけでもありません。

ただ、自分にできることを考え、目の前の問題に気づいたときに、少しでも改善に向けて動くことはできるはずです。

ジョブハートができることから、地域の未来を考える

株式会社ジョブハートは、外国人材の受け入れを支援する中で、企業が抱える人手不足の問題と向き合ってきました。

私たちが目指しているのは、外国人を採用して終わることではありません。

外国人本人が日本の生活や文化を理解し、自立して働けるようになること。そして、企業がその人材を戦力として育て、事業の成長につなげられることです。

外国人材の受け入れは、人手不足を補う一つの方法です。しかし、それだけで企業や地域の未来が保証されるわけではありません。

企業自身が稼ぐ力を高め、人材を育て、新しい市場を開拓し、持続的に事業を続けられる仕組みをつくることが重要です。

私は、中小企業には、地域の雇用や産業を支える大きな可能性があると考えています。

一社の成長が地域の雇用を守り、新しい事業が生まれれば、地域に新たな仕事が生まれるかもしれません。

その積み重ねが、地域の産業を守り、次の世代の選択肢を増やすことにつながると考えています。

すべてを一度に変えることはできません。

だからこそ、まずは自分たちが関わる企業や人に対して、できることから取り組んでいきたいと思います。

子どもたちに、明るい未来を残すために

人口が減少する日本で、これからも地域の産業を維持し、発展させていくことは簡単ではありません。

しかし、難しいからといって、何もせずに未来へ先送りしてよいわけでもありません。

外国人を受け入れるのであれば、受け入れる社会も変わる。

人手不足を嘆くだけでなく、企業が稼ぐ力を高める。

制度をつくるだけでなく、現場で本当に機能しているかを確かめる。

そして、今の大人たちが、次の世代にどのような社会を残すのかを考える。

私は、地域の産業が再び活力を取り戻すことが、明るい未来をつくるための大切な出発点だと考えています。

子どもたちに、ただ「これからの日本は大変だ」と伝えるのではなく、「自分たちの行動で、社会は少しずつ変えられる」と示したい。

そのために、まずは自分自身が行動する。

株式会社ジョブハートは、外国人材の支援と中小企業の成長支援を通じて、企業が持続的に発展し、人が働き、暮らし続けられる地域づくりに取り組んでいきます。

未来を変えることは、一人の力だけではできません。

それでも、誰かが始めなければ、何も変わらない。

私は、そう考えています。

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株式会社ジョブハート

外国人材の受け入れ支援・登録支援機関・中小企業の成長支援

人材を受け入れるだけでなく、企業が成長し、人が自立し、地域の産業が未来へ続いていく。そのために、現場からできることに取り組んでまいります。