外国人材の採用において、企業が考えるべきことは、採用人数や在留資格の手続きだけではありません。

採用した外国人材が日本で安心して生活し、職場で信頼関係を築き、長く活躍できるようになるためには、日々の生活支援と教育が重要です。

株式会社ジョブハートでは、外国人材の受入れに関する手続きだけでなく、実際の生活場面で起きる問題にも向き合いながら、より良い支援のあり方を考えています。

今回は、外国人材の生活支援の現場で起きた出来事をもとに、外国人材の自立、報告・連絡・相談の重要性、そして登録支援機関に求められる改善について考えます。

1.生活支援の現場で起きた、予定変更に関する問題

ある外国人材の携帯電話の契約について、通信費を抑えながら日本で利用できる方法を検討し、本人にも説明したうえで手続きの予約を行いました。

本人からは、その場で了承を得ていたため、こちらも予定を確保し、当日の手続きに向けて準備を進めていました。

ところが、実際に会って話をすると、本人は友人から別のSIMカードを勧められており、当初の予定とは違う方法を希望していました。

友人からは、楽天モバイルは電波が弱く、ゲームをする自分には向いていないと説明されたそうです。

もちろん、本人が友人の意見を参考にすること自体に問題はありません。通信品質や料金を比較し、自分に合ったサービスを選ぶことは大切です。

しかし、今回の問題は、本人の希望が変わったことではありません。

予定が変わったことを、事前に連絡してもらえなかったことです。

予約を入れた後に判断が変わったのであれば、その時点で連絡をもらえれば、予定を調整できた可能性があります。

結果として、急遽予定を変更し、手続きに同行することになりました。約3時間の予定のずれが生じ、ほかの業務にも影響することになりました。

この出来事は、単なる携帯電話の契約に関する問題ではありません。

外国人材の生活支援において、本人の判断と、支援する側の業務がどのようにつながっているかを考える機会になりました。

2.自分にとって小さな変更でも、相手には大きな負担になる

本人にとっては、SIMカードを変更するという小さな判断だったのかもしれません。

しかし、その判断の裏側では、支援する側が予定を確保し、予約を行い、ほかの業務との調整を進めています。

自分の判断によって、誰かの予定や仕事が変わることがあります。

このことを理解していなければ、本人に悪意がなくても、周囲に余計な負担をかけてしまうことがあります。

例えば、次のような行動です。

* 予定していた手続きの希望が変わったのに、事前に連絡しない。
* 友人から別の方法を勧められ、十分な確認をしないまま判断を変える。
* 自分で調べたり相談したりする前に、周囲に急な対応を求める。
* 自分の希望を優先する一方で、相手の予定や業務への影響を考えない。

こうした行動は、外国人材に限った問題ではありません。日本人であっても、同じようなことは起こります。

重要なのは、国籍で判断することではなく、本人が自分の行動による影響を理解し、改善できるようにすることです。

3.外国人材の定着には、日本で働くための行動習慣も必要

外国人材の受入れでは、日本語能力や業務に必要な技能が注目されがちです。

しかし、長く働き続けるためには、それだけでは十分ではありません。

職場で信頼されるためには、報告・連絡・相談を適切に行うことが重要です。

例えば、次のような行動です。

報告: 自分の判断や行動によって予定に変更が生じた場合、関係者に必要な情報を伝える。

連絡: 予定や希望が変わったときは、分かった時点で早めに伝える。

相談: 自分だけでは判断できないことや、契約内容に不安があることは、決める前に相談する。

これらは、単なる日本独特のマナーではありません。複数の人が協力して仕事を進めるための基本的な行動です。

特に、外国人材が日本で生活を始めたばかりの時期には、何をどのタイミングで報告すべきなのか、具体例を交えて説明することが大切です。

「何かあったら相談してください」と伝えるだけでは、十分ではありません。

予約後に希望が変わった場合、契約内容が分からない場合、友人から別のサービスを勧められた場合など、実際の場面を想定して伝える必要があります。

そして、説明しただけで終わらせず、実際にできているかを確認し、必要に応じて指導することが重要です。

4.友人の情報を参考にすることと、正確な情報を確認することは別

今回のSIMカードの件では、友人からの情報が、当初の判断を変えるきっかけになりました。

身近な人から情報を得ることは自然なことです。母国語で相談できる相手がいることは、外国人材にとって心強い面もあります。

ただし、友人が勧めるサービスだからといって、必ずしも自分に適しているとは限りません。

通信サービスを選ぶ場合でも、料金、通信品質、契約条件、利用できる機能、契約先などを確認する必要があります。

これはSIMカードに限った話ではありません。

住居、銀行口座、携帯電話、各種契約など、日本で生活するうえでは、さまざまな判断が必要になります。

身近な人の意見を参考にしながらも、最終的には自分で情報を確認し、納得したうえで判断する力を身につけることが大切です。

外国人材の生活支援では、手続きそのものを代わりに進めるだけでなく、本人が自分で確認し、適切に判断できるようになることも目指すべきだと考えています。

5.登録支援機関に必要なのは、問題が起きた後の対応だけではない

外国人材の生活支援では、予想していなかった相談や、急な対応が必要になることがあります。

もちろん、生活や安全に関わる問題など、迅速な対応が必要な場面では、適切に支援することが重要です。

一方で、事前に相談や連絡があれば防げた問題まで、毎回その場で対応するだけでは、支援する側の負担が増え続けてしまいます。

その結果、本当に必要な支援に十分な時間を割けなくなる可能性もあります。

だからこそ、登録支援機関には、問題が起きた後に対応するだけでなく、問題が起きにくい仕組みをつくる視点が必要です。

ジョブハートでは、現場で起きた出来事をその場限りの問題として終わらせず、原因を考え、今後の支援方法や説明方法の改善につなげることを大切にしています。

例えば、次のような改善が考えられます。

* 手続きの予約前に、本人の希望と契約内容を確認する。
* 希望が変わった場合は、分かった時点で連絡するよう事前に伝える。
* 自分で確認できることと、支援機関に相談すべきことを整理する。
* 繰り返し起きる問題は、本人への説明方法や支援の手順を見直す。
* 本人が自立して判断し、行動できるよう、段階的に支援する。

支援の質を高めるためには、支援する側も現場から学び、改善し続ける必要があります。

6.外国人材を「支援する」だけでなく、「自立できる人材に育てる」

外国人材の受入れは、採用して終わりではありません。

特定技能外国人をはじめ、日本で働く外国人材が長期的に活躍するためには、仕事の技能や日本語だけでなく、生活面での自立や、周囲と協力して働くための行動習慣も重要です。

本人が困ったときに相談できる環境を整えること。そして、本人自身も必要な情報を確認し、早めに報告・連絡・相談ができるようになること。

この両方があってこそ、外国人材と企業の信頼関係が築かれていきます。

支援機関がすべてを代わりに行うことが、必ずしも本人のためになるとは限りません。

必要な支援を確実に提供しながら、本人が自分でできることを少しずつ増やしていく。それが、長期的な定着につながる支援だと考えています。

7.現場の問題を、次の改善につなげる

今回の出来事は、私たちにとっても、支援のあり方を改めて考える機会になりました。

外国人材の生活支援では、制度や手続きの知識だけでなく、本人の行動、周囲との関係、企業側の負担など、現場で初めて見えてくる課題があります。

大切なのは、問題が起きたことだけを取り上げるのではなく、なぜ起きたのか、どうすれば防げるのか、今後の支援にどう活かせるのかを考えることです。

株式会社ジョブハートは、外国人材を単に受け入れるだけでなく、企業と外国人材の双方が長く成長できる関係づくりを目指しています。

現場で起きた問題を分析し、支援の仕組みを改善し、外国人材の自立と企業の安定した雇用につなげる。

一つひとつの経験を次の改善に活かしながら、採用後も安心して相談でき、長期的な人材育成を支えられる存在でありたいと考えています。

⸻

外国人材の採用・生活支援・定着についてお悩みの企業様へ

外国人材の採用では、在留資格の手続きだけでなく、入社後の生活支援、日本語や日本の生活習慣の教育、職場への定着までを見据えた体制づくりが重要です。

株式会社ジョブハートでは、特定技能外国人の受入れ支援をはじめ、外国人材の育成と企業の安定した雇用に向けた支援を行っています。

外国人材の受入れや定着、生活支援の進め方についてお悩みの企業様は、お気軽にご相談ください。

株式会社ジョブハート
公式サイト:https://jobheart.jp/