在留カードの更新手続きにおいて、
インターネット申請が有利であるかのような現在の流れに、私は強い違和感を覚えています。

確かに、手続きの効率化という観点ではオンライン化は有効です。
しかし、その考え方はあまりにも一面的ではないでしょうか。

在留資格の更新手続きは、単なる“作業”ではありません。
日本で生活し、働いていく上で本人が必ず理解し、身につけなければならない重要なプロセスです。

特に特定技能1号の外国人にとって、この5年間は極めて重要です。
なぜなら、特定技能2号へ移行した後は、
更新手続きや各種申請を「自分自身で行うこと」が基本になるからです。

つまり、1号の期間中に
・手続きの流れを理解すること
・必要書類を把握すること
・自分の在留に責任を持つ意識を育てること
これらを身につけておかなければ、その後に大きな負担と混乱を生むことになります。


しかし現状はどうでしょうか。

オンライン申請の推進によって、
本人が手続きを“理解する機会”や“実際に経験する場”が減っています。
さらには、対面でのやり取りが減ることで、支援する側が本人の理解度や状況を把握する機会も失われています。

これは効率化ではなく、
「学ぶべき機会の喪失」です。

作業は効率化すべきです。
しかし、学ばなければならないことまで効率化してはいけません。
それは結果として、本人の自立を遠ざけ、社会全体の質を下げることにつながります。

また、近年進められている一点集中管理の考え方にも同様の問題があります。
確かに管理する側は楽になりますが、現場の理解や対応力は確実に低下していきます。
この構造的な問題は、すでに過去の経験から明らかになっているはずです。

それにもかかわらず、なぜ同じ失敗を繰り返すのでしょうか。

今、求められているのは
単なる効率化ではなく、「何を効率化し、何を残すべきか」という本質的な設計です。

・作業はデジタル化する
・教育は対面で行う
・人を育てる機会は削らない

この当たり前の原則に立ち返る必要があります。

私たちは、外国人支援において
「手続きを代行すること」ではなく、
「自らできるように育てること」に価値があると考えています。

効率のために教育を失うのではなく、
未来のために“あえて非効率な時間”を大切にする。

その視点こそが、これからの制度と支援の在り方を変えていく鍵になるはずです。