日本人が「すごかった時代」は、
人材派遣という制度を本格的に導入する前までです。

今の日本は
•賃金は上がらない
•生産性は低い
•若者は減り
•外国人から見れば「安全だが稼げない国」

事実上、労働力を外から吸い上げる“植民的な国”と見られ始めています。

この現実を直視せず、
「外国人を雇ってやっている」
「日本はまだ先進国」
という意識のままでは、確実に人は定着しません。

1. 日本人はもはや「すごい側」ではないと認める

日本は経済成長が止まり、
一人当たりGDPでも韓国に抜かれました。
「日本だから選ばれる時代」は終わっています。
選ばれる努力をする側に回ったという自覚が必要です。

2. 井の中の蛙になっていないかを自問する

発展途上国の人材は、
まず韓国・台湾・シンガポールを選び、
ダメなら日本、という現実があります。
日本は“最後の選択肢”になりつつあることを受け入れる必要があります。

3. 日本人の能力は落ちてきているという事実を受け入れる

外国人が劣っているのではなく、
日本人が「考えなくなった」「育てなくなった」だけです。
人材派遣に頼り続けた結果、
人を育てる力そのものが衰退しました。

4. 外国人ができないのは「教養と経験がなかっただけ」

ルールを知らない、仕事が雑、判断が甘い。
それは能力ではなく、教えられていないだけです。
改善可能な問題を、人格や国籍の問題にすり替えてはいけません。

5. 「使う」発想を捨て、「育てる」覚悟を持つ

派遣のように短期で入れ替える時代は終わりました。
定着し、戦力になり、次世代を育ててくれる人材を作らなければ、日本は回りません。

6. 特定技能1号は「投資期間」である

特定技能1号はゴールではありません。
2号へ進み、永住し、
長く日本で働いてもらうための準備期間です。
短期視点で扱う企業は、必ず人が離れます。

7. 指示は必ず具体的に伝える

「普通は」「常識で考えて」は通じません。
何を・いつまでに・どの水準でやるかを
言語化できないのは、教える側の問題です。

8. 「分かりました」を鵜呑みにしない

分からないと言うと評価が下がると思っています。
復唱・実演で理解を確認するのが前提です。

9. 空気を読む文化は前提にしない

言われていないことは「やらなくていい」と判断されます。
期待する行動は、すべて言葉にしてください。

10. 日本の「グレー=NG」を明確に教える

母国では黙認される行為が多く、
できた=OKと認識されやすい。
白黒を曖昧にしない姿勢が重要です。

11. 一度許したことは「ルール」になる

最初に甘く対応すると、それが基準になります。
後から厳しくするのは非常に困難です。

12. 法律・在留資格は本人任せにしない

本人が正確に理解していないケースが大半です。
違反すれば、会社もリスクを負います。
雇用側が管理する意識が不可欠です。

13. 人前で叱らない、人格を否定しない

恥をかかされる文化的ストレスは非常に強い。
注意は個別に、冷静に行ってください。

14. 食文化の違いによる体臭・口臭の問題は起こりうる

ベトナムは体力維持のため、
香辛料・発酵食品・匂いの強い料理が中心です。
来日直後は体臭や口臭が気になることがありますが、
悪意ではなく生活習慣の違いです。
日本の食生活に慣れることで、
多くの場合は自然に改善します。

15. 褒めて伸ばすことは「甘やかし」ではない

承認されることで責任感が育ちます。
やって当たり前、では人は定着しません。

16. 体調不良を我慢しやすいことを理解する

「迷惑をかけたくない」という思いから無理をします。
声かけと相談できる環境づくりが必要です。

17. 安全意識は日本基準で徹底的に教える

日本の安全基準は世界でも特殊です。
感覚で分かると思わず、繰り返し教える必要があります。

18. 不公平感は一瞬で信頼を壊す

待遇差には非常に敏感です。
理由を説明しない差は、差別と受け取られます。

19. 短期的に国内在住外国人を採用して満足してはいけない

すでに日本にいる外国人を取り合っているだけでは、
いずれ限界が来ます。
これからは海外から直接呼び込む覚悟が必要です。

20. 外国人雇用と同時に、日本人の出生率を上げなければならない

外国人だけに頼る国は、いずれ持ちません。
日本人の子どもが2人以上生まれる社会を作ることと、
外国人を育て定着させることは、同時進行で必要です。

おわりに

日本人は、
「自分たちは特別にすごい」
という幻想を手放す時期に来ています。

外国人を
安く使う存在ではなく、
共に日本で生き残る仲間として育てる。

それができる企業・経営者だけが、
これからの日本で生き残ります。