■気づかれないまま大人になった人たち
近年、50代前後の大人の中に
自覚のないまま発達特性を抱えて生きている人
が増えています。
昔は診断も概念もなく、
「変わっている人」「頑固な人」で終わってしまったため、
本当の生きづらさに誰も気づけませんでした。
■気づきにくい大人の特徴
大人の発達特性は、子どもの頃とは違う形で表れます。
たとえば次のような行動です。
•話したことを忘れる
•自分が言ったことすら覚えていない
•自分の思い込みを事実だと決めつけてしまう
•こちらが決めたわけでもない事を“あなたが決めた”と思い込む
•他人よりも自分の都合を優先しがち(利己的に見える)
•責められたと感じると、話を分かってくれる人のところに逃げる
•謝ることや向き合うことが極端に苦手
これらは“性格の悪さ”でも“怠け”でもありません。
脳の特性によるもので、本人も困っていることが多いのです。
■なぜ本人は“自覚できない”のか?
特性がある人は、
•自分の非を認めると心が壊れそうになる
•事実関係を整理するのが苦手
•自分の記憶のズレに気づけない
•責められていると感じると逃げる
•自己防衛反応が強い
こういった“脳の反応”があるため、
周囲がどれだけ説明しても 届きません。
だから、
「話せばわかる」が通用しないのです。
これは本人のせいではありません。
■私自身も“特性を自覚したことで楽になった”
私は目が悪いという障害があり、
さらに先端恐怖症という特性も持っています。
正直、最初は認めたくなかったし、
「みんなと同じ」になろうとして無理をしていた時期もあります。
でも、
自分を知ることで本当に楽になった。
•無理しなくてよくなった
•周囲にも正しく伝えられるようになった
•誤解されることが減った
•生きやすさが増えた
“気づくこと”は、
弱点を突きつけられることではなく、
自分を守る手段 なのだと実感しました。
■だからこそ、身近なあの人にも気づいてほしい
私の身近にも、上に書いたような特徴のある大切な人がいます。
その人に直接伝えると、
話を聞かなくなり、逃げてしまう。
でも私は思っています。
「気づいた方が絶対プラスだよ」
と。
気づくことで人生が変わるから。
楽になるから。
自分も、周囲も困らなくなるから。
■気づくことは“変わる勇気”ではなく“生きやすさの入口”
大人の発達特性に気づくことは、
「障害を認める」という重い話ではありません。
•自分を知る
•自分の得意と苦手を理解する
•失敗の仕組みを把握する
•周囲の誤解を減らす
•楽に生きる方法を増やす
そのための スタートライン です。
■まずは社会が気づける土台づくりを
本人へ直接伝えても、逃げてしまうことが多い。
だからこそ、社会ができることがあります。
•特性を責めず、理解する
•「変わっている」の奥に理由があると知る
•本人が安心して話せる環境を作る
•無理に気づかせようとしない
•まずは周囲が“気づく力”を持つ
そうすることで初めて、
本人も安全な場所で
自分を知る勇気 を持てるようになります。
気づける社会に。
そして、気づくことで、生きやすくなる人を一人でも増やしたい。








