外国人支援の仕事をしていると、
“日本という国の根元が揺らぎ始めている”と感じる瞬間が増えています。

先日も在留カード更新に向けて、
市役所で必要書類を取得するため同行する予定でした。
しかし前日の夜になって、本人から
「パスポートがありません」
という連絡。急遽、警察署へ紛失届を提出することになりました。

問題は「紛失したこと」だけではありません。
その後に本人が口にした言葉がさらに深刻です。

「生活支援員なんだから、こういうの全部やってくれるでしょ?」

技能実習制度の管理団体が、
実習生の生活に必要なことを“何でも代わりにやってきた”歴史が、
彼らを依存体質にしてしまった。
自分の人生を自分で動かす意識が育っていない。

私は本人に伝えました。

「特定技能の支援は、“できないことを代わりにする”ことではなく、
自分でできるように育てることだよ。」

すると本人は少し反省したのか、
「来年は自分で市役所に行きます」と言ってくれました。
その言葉を信じたいし、成長のきっかけになればと思います。

しかし、これだけでは終わらない“深い課題”があります。

◆ 日本人同士でも会話ができなくなっている現実

最近は、日本人同士でさえ
話し合えば解決する問題を、
あえて周囲を巻き込んだり、
先に警察へ被害届を出したりして、
物事を複雑にする人が増えている。

これは単なる「面倒くさい人」ではなく、
コミュニケーション能力の衰退と、責任回避の文化 の表れです。
• まず人に相談する
• まず誰かに責任を押しつける
• まず“自分は悪くない”という立場を確保する
• 直接向き合う勇気がない

こうした行動パターンが外国人・日本人問わず広がり、
社会全体で「対話する力」が減っている。

◆ 日本は “外国人に優しく、日本人に厳しい” という矛盾

現場にいると、この矛盾を強く感じます。
• 日本人には厳しい制度
• 外国人には過剰に甘い対応
• “良い人であろう”とする文化だけが残る
• 結果として、日本人が疲弊する

本来一番守られるべきなのは、
この国のルールを守り、税金を納め、社会を支えてきた日本人のはず。

なのに現実は逆転している。

このバランスの崩壊が、外国人の依存体質を助長し、
日本人の不満や疲弊を生み、
お互いの溝を深める結果になっているのではないか。

◆ このままでは、あと3年で日本の産業は崩れる

私は現場にいて、はっきり感じています。

人がいない。
でも制度も価値観も変わらない。
そして誰も本気で動こうとしない。

少子化・高齢化・就労人口不足は待ってくれません。
現状維持のままでは日本の基盤は持たなくなる。

外国人労働力を受け入れることは悪いことではありません。
問題は、
“支援”と“依存”の区別がつかない制度と文化 です。

日本人も外国人も、
互いに「育てる意識」や「対話する力」を取り戻さないと、
この国はさらに弱っていくでしょう。

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◆ 私たちにできることは何か

私は支援員として、
“やってあげる人” ではなく
“できるように導く人” でありたい。

それが本人の成長になり、
それが日本社会の健全さを取り戻す一歩になると信じているからです。

日本は今、根本から変わる必要があります。
そしてその変化は、政策でも制度でもなく、
「人の意識」からしか始まらない のだと思います。