私は、ある経営の現場でこんな光景を見ました。

毎月同じ業務。
タイムシートを受け取り、計算し、保険料を差し引き、給与明細を出す。

特別に難しい仕事ではありません。
仕組みを作れば、再現できる仕事です。

しかし、小さな計算ミスが繰り返される。
指摘すると「すみません、来月で調整します」と軽く返る。

再発防止の話はない。
ダブルチェックの仕組みもない。

それでも仕事は続く。

そして本人は
「自分はきちんとやっている」と思っている。

ここに私は違和感を覚えました。

問題はミスではありません。

人は誰でも間違える。

問題は、

・ミスを構造で減らそうとしないこと
・責任の重さを実感していないこと
・“この程度”で済ませてしまうこと

そしてそれが当たり前になっていること。

能力とは何でしょうか。

知識があることでも、資格があることでもない。
1. 正確にやり切る力
2. 再発しない仕組みを作る力
3. 自分の仕事が誰かの生活に直結していると理解する力

この三つがあって、初めて“プロ”だと私は思います。

どれかが欠ければ、
それは作業であって仕事ではない。

私は特別な人間ではありません。
ただ、経営者になり、責任を背負ったときに気づいただけです。

自分の甘さに。

もしあの痛みがなければ、
私も同じ側にいたかもしれません。

だから責めたいのではない。

ただ伝えたい。

大きな痛みが来る前に、
小さな違和感に気づける社会であってほしい。

「本当にこれでいいのか?」

その問いを持つ人が一人増えるだけで、
基準は上がる。

すべてはつながっているのだから。