「変わらなければいけない」

多くの人がそう口にする。

けれど実際には、ほとんどの人が変わらない。
組織も、社会も、関係性も。

なぜだろうか。

それは意志が弱いからでも、能力が足りないからでもない。

人間の脳は、本能的に“変化”を危険と判断する。

今の環境に適応できているなら、
あえて未知へ踏み出す必要はないと無意識が判断する。

これが「現状維持バイアス」だ。

さらに厄介なのが「スコトーマ」という概念である。

本当は目の前に存在しているのに、
自分の価値観や経験に合わないために認識できない状態。

例えば、

・本音を言えば壊れると思い込んでいる
・挑戦しても無理だと決めつけている
・組織は変わらないと前提にしている

それは事実なのか。
それとも思い込みなのか。

多くの場合、恐怖が視野を狭くしている。

日本では「和」が重んじられる。

しかし本来の和とは、意見を言わないことではない。
議論を尽くしたうえで調和することだ。

衝突を避けることは和ではない。
ただの回避である。

変われない人を責めるつもりはない。

変われないのは、弱いからではない。
そうなる構造の中に長く置かれてきたからだ。

だが同時に、こうも思う。

もし本当により良くしたいのなら、
どこかで前提を疑わなければならない。

「それは事実か?」
「本当に壊れるのか?」
「自分の可能性を、自分で閉じていないか?」

スコトーマは誰にでもある。

しかし、問い続ける人だけが、
少しずつ視野を広げていく。

変化とは才能ではない。
前提を疑う勇気の積み重ねだ。