ベトナムの送り出し機関が、技能実習生や特定技能の労働者から不当にお金を徴収している実態が明らかになりました。特に技能実習生においては、この問題が最も深刻です。

◆ 技能実習生の負担の実態
技能実習生は面接に合格すると、日本に来るまでの半年間、ベトナムの学校で勉強します。この勉強費用や飛行機代、在留カードの作成費用などは、受け入れ企業が負担するのが一般的です。しかし、技能実習生たちは銀行から約100万円を借り入れ、日本へ渡航しています。この資金は一体どこに流れているのでしょうか?

◆ 特定技能でも続く搾取
特定技能の場合、本人が自主的に日本語能力試験(N4)と特定技能1号の技術試験に合格すれば、日本で働くことができます。飛行機代も受け入れ企業が負担します。しかし、ある特定技能の労働者は「ベトナムのエージェントに飛行機代・ビザ申請費・仕事紹介料として17万円を支払った」と証言しました。本来、これらの費用は企業側が負担しているはずなのに、なぜ彼らは支払いを求められているのでしょうか?

◆ なぜ技能実習生の失踪が多いのか?
技能実習生の失踪が相次ぐ背景には、過酷な労働環境と多額の借金が関係しています。日本での生活費に加え、母国で背負った借金の返済が重くのしかかり、耐えきれずに逃げてしまう人が多いのです。

◆ 日本の企業と制度が考えるべきこと
日本企業は「安く人を雇う」ことを優先しがちですが、その裏で技能実習生や特定技能の労働者がどれほどの負担を強いられているのかを考えなければなりません。送り出し機関による搾取の実態を見過ごしたままでは、外国人労働者が安心して働ける環境は決して実現しません。

現在、日本では技能実習制度の見直しが進められ、新たな制度への移行が予定されています。しかし、このままの仕組みで本当に良いのでしょうか?また、人材派遣業においても、労働者を単なる「コスト」として扱う考え方が根本的な問題となっています。今こそ、これらの制度のあり方を根本から見直し、外国人労働者が適正な環境で働ける仕組みを構築する必要があるのではないでしょうか。