気づいていますか?
私たちの多くは、いつの間にか「人形」のように生きるようになってしまったことを。
人形は、自分の声を持ちません。
人形は、糸を操る誰かに従うだけで、自分の足で歩くことはできません。
今の日本人の姿は、それに似ているのではないでしょうか。
戦後の教育や社会の仕組みは、
「和を乱すな」と教えてきました。
でもそこで言う“和”とは、静かに従うこと、異論を言わないこと、沈黙することでした。
けれど、本来の“和”は違います。
本来の和は、みんなが自由に意見を出し合い、
時には衝突し、
その議論の果てにより良い形にまとまっていくものです。
江戸の町人たちは、寄り合いで声を出し合いながら決め事をしました。
村の共同体では、言いたいことをぶつけ合いながら助け合いを続けてきました。
そこには「人形」ではなく、ちゃんと血の通った「人間の和」があったのです。
しかし今の社会はどうでしょう。
会議では本音を隠し、
学校では周りと同じ答えを求められ、
職場では空気を読むことが最優先になる。
声をあげれば「和を乱す」と責められる。
これでは人間ではなく、人形です。
だからこそ、私は呼びかけたい。
人形をやめて、人間に戻ろう、と。
和とは、黙って従うことではありません。
和とは、意見を言い合い、
時にぶつかり合い、
最後に「一緒に進もう」とまとまる力のことです。
私たちが取り戻すべき“和”は、
人形のような沈黙ではなく、
人間らしい声と心のぶつかり合いなのです。
あなたは今、人形ですか?
それとも、人間ですか?