ルールや法律は、社会を公正に保ち、秩序を維持するために存在する。しかし、そのルールを振りかざす人の中には、他人には厳しく求める一方で、自分や身内には甘くなる人が少なくない。専門家である士業の人間でさえ、仕事相手には法の厳格な適用を求めながら、自らは「バレなければ問題ない」と抜け道を探し、平然と違反するケースもある。

外国人が「知らなかった」と言い訳することがあるが、そもそも日本に入国する際に日本の法律を守ると約束している以上、それは通用しない。無知であっても、違反すれば裁かれるのは当然のことだ。しかし、こうした問題は外国人だけでなく、士業のような専門家であっても同様に横行している。「みんなやっているから」「バレなければいい」という考えが蔓延し、ルールが形骸化しているのが現実だ。


もちろん、ルール自体に矛盾があったり、不合理なものが存在したりすることもある。しかし、それを守る義務がある以上、「納得できないから破る」のではなく、必要なら正しく改正に働きかけるべきだ。都合の良いときだけルールを振りかざし、都合が悪くなれば見て見ぬふりをするような態度では、公正な社会など実現できるはずがない。

本当に正義を語る資格があるのは、他人に厳しくする前に、自分自身がルールを厳格に守っている者だけではないだろうか。